小野 利和

おの としかず
Toshikazu Ono
九州大学大学院工学研究院
助教
A02

公募班(2020-2021)

塩―共結晶連続体を利用した有機準安定結晶の計画的創出と機能開拓

キーワード
塩―共結晶連続体、多成分結晶、相転移、ソフトクリスタル

研究概要

酸―塩基複合体は、プロトン移動を伴うイオン性の“塩”、プロトン移動を伴わない中性の“共結晶”、部分的なプロトン移動を伴う“塩―共結晶連続体”の3状態をとる。これらの状態は、塩基と酸のpKaの差 (⊿pKa = pKa(base) – pKa(acid))に従いpKaルールと呼ばれ、結晶工学や医薬品開発の分野では、化合物の溶解度調整法として認知されている。経験上⊿pKa > 4は“塩”、⊿pKa < -1は“共結晶”となる。-1 < ⊿pKa < 4の領域は、塩、共結晶、塩—共結晶連続体のいずれかとなり、パッキング様式や外部因子も関わり、予測困難である。見方を変えると-1 < ⊿pKa < 4の領域からなる酸―塩基複合体は準安定相の結晶材料、いわばソフトクリスタルであろう。本研究では、pKaルールに基づく“データ・計算科学”を駆使することで、塩―共結晶連続体となる準安定結晶の網羅的合成を実施する。これに外部刺激を与えて共結晶(中性)か塩(イオン性)状態への相転移を誘発し、光学機能特性の変化を示す「多成分ソフトクリスタル」の計画的創出を実現する。

酸–塩基複合体を利用した有機準安定性結晶の計画的創出
プロトン化度の違いにより発光色が異なる様子

研究業績